「YouTubeの規制がどんどん厳しくなる」と、嘆いている方も少なくないでしょう。
問題が発生するごとに、YouTubeから新たな規制が加わり、もはや、何がOKで何がNGなのか。動画作成でも戸惑うことが増えているのではないでしょうか。
こちらのページでは、YouTubeの規制が厳しくなっている理由や、守るべきルールなど、わかりやすくまとめました。
万が一、不当なペナルティを受けた場合にも、根拠をもって申し立て等の対処ができるように、YouTubeの規制をしっかり把握しておきましょう。
YouTubeの規制が厳しい理由
YouTubeでは、良質なコンテンツを充実させるため、随時、新たな規制を設けて低品質・悪質なコンテンツへの対処を行っています。
規制が年々厳しくなり「YouTubeはつまらなくなった」なんて声も聞こえてきますよね。
ですが、YouTubeで新たなガイドラインが追加される背景には「社会的に問題視されるコンテンツ」の存在があります。
YouTubeは、世界中の誰もが無料で動画をアップロードできる便利なプラットフォームですが、その主な資金源となっているのは、広告主から得られる広告収入です。
社会的に問題視されるようなコンテンツには広告を付けられず、利益の期待もできませんし、YouTube全体の評判や経営にも悪影響を及ぼすのですから、規制するのも当然といえるでしょう。
迷惑ユーチューバーなどの存在
最近では、悪いニュースで有名ユーチューバーの名前を見かけることも珍しくありません。
例えば、会計前の食品を食べる動画をアップしたユーチューバーが、その罪を問われ、2022年3月、保護観察付きの失効猶予4年、懲役刑の判決を受けています。
YouTubeは、多くの人に動画を視聴してもらうことで収益を得られる、魅力的なプラットフォーム。
ですが、お金儲けだけが目的となり、過激な内容で注目を集めるコンテンツばかり投稿する、いわゆる「迷惑ユーチューバー」も増えてしまったのです。
時代背景とYouTubeの規制
最近では、新型コロナウィルスや、ウクライナでの戦争に関するコンテンツについて、アップロードや収益化規制の対策が行われています。
新型コロナウィルスが発生しはじめた当初は、嘘の情報や、根拠のないデマを公表するコンテンツが問題視されました。
このように、それまでになかったような問題が発生して、新たな規制が発生することもあります。
YouTubeが優良なプラットフォームであり続けるためには「規制を避けられない事情」があるのです。
YouTube動画で発生した事故や事件事例
ユーチューバーの炎上など、ネットニュースでよく見かけますが、YouTubeの動画が原因となり、発生した事故や事件も多数あります。
いくつか事例を見てみましょう。
不法侵入
許可を得ることなく勝手に建物等に侵入、撮影したYouTube動画で警察沙汰になるケースがあります。
動画撮影をする際は、背景に映り込んだものや音楽などが問題になることも。撮影する場所など、トラブルにならないように事前確認必須ですね。
動物虐待
動物虐待の様子を撮影して、YouTubeにアップする事例が相次いで問題となっています。
視聴者からの批判コメントや通報から、警察が介入する騒ぎに発展したり、動物愛護管理法違反で告発されたりするといった事例も発生しています。
ファイヤーチャレンジ
YouTubeで流行した「ファイヤーチャレンジ」。これは、体に燃えやすい液体を塗って火を付ける、命に関わる危険行為を撮影した動画のこと。
この動画を見て「面白そう」と真似した子どもが、大やけどを負っているのです。
法に触れる行為は、YouTubeの規制以前の問題ですが、危険で悪質な行為を動画で配信するのには、相応のリスクがあります。
TikTokで流行した「失神チャレンジ」で複数の子どもたちが亡くなっていますが、TikTokとその親会社が訴訟を起こされたとのこと。
YouTube側にも、そうしたリスクがあるわけですね。
YouTubeで守るべきルールとは
YouTubeでチャンネルを運営するためには、各種の規制を把握しておく必要があります。
YouTubeで守るべきルールは、主に以下の3つです。
- YouTubeコミュニティガイドライン
- 広告掲載に適したコンテンツのガイドライン
- Googleサイト運営者/パブリッシャー向けアドセンスポリシー
YouTubeコミュニティガイドライン
YouTubeでチャンネルを運営するためのルールがコミュニティガイドライン。
具体的には、以下の内容が記載されています。
コミュニティガイドライン | ポリシー |
---|---|
スパムと欺瞞行為 | 虚偽のエンゲージメント なりすまし 外部リンク スパム、欺瞞行為、詐欺 再生リスト その他のポリシー |
デリケートなコンテンツ | 子どもの安全 サムネイル ヌードや性的なコンテンツ 自殺と自傷行為 下品な表現 |
暴力的または危険なコンテンツ | 嫌がらせやネットいじめ 有害で危険なコンテンツ ヘイトスピーチ 暴力犯罪組織 暴力的で生々しいコンテンツ |
規制品 | 銃火器 違法または規制対象の商品やサービスの販売 |
誤った情報 | 誤った情報 選挙の誤った情報 COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の医学的に誤った情報 |
収益化が絡むと、さらに守るべきルールが増えます。
広告掲載に適したコンテンツのガイドライン
YouTubeで収益化している、これから目指すのであれば「広告掲載に適したコンテンツのガイドライン」をしっかり把握しておかないと、収益化の制限や無効などのペナルティリスクがあります。
内容は以下のとおりです。
- 不適切な表現
- 暴力
- アダルト コンテンツ
- 衝撃的なコンテンツ
- 有害または危険な行為
- 差別的または中傷的なコンテンツ
- 危険ドラッグや薬物に関連するコンテンツ
- 銃器に関連するコンテンツ
- 物議を醸す問題
- デリケートな事象
- 不正行為を助長する商品やサービス
- 子どもや家族向けとして不適切なコンテンツ
- 扇動的、侮辱的なコンテンツ
- タバコに関連するコンテンツ
YouTubeで収益化のチャンスを掴むには、これらのガイドラインに抵触しないよう、十分な注意が必要です。
Googleサイト運営者/パブリッシャー向けアドセンスポリシー
YouTubeで健全なチャンネル運営を行うためには、Googleのポリシーも把握しておかなければなりません。
Googleのアドセンスポリシーでは、動画コンテンツだけでなく、コメント欄や概要欄に貼ったリンクが原因でポリシー違反と判断されることがあります。
- コンテンツ ポリシー
- 行動ポリシー
- プライバシーに関するポリシー
- 要件とその他の基準
→ Googleサイト運営者/パブリッシャー向けアドセンスポリシー
YouTubeでペナルティを受けないよう、最低限のルールは把握しておきたいですね。
YouTubeが規制強化「都市伝説」
YouTubeでの規制強化として、最近話題になっていたのが「都市伝説」に関する収益の無効化。
2022年2月に、YouTubeが「誤報への取り組みの今後について」の情報を発信しました。
「誤報への取り組みの今後について」の具体的な内容は「誤報の出現と拡散がこれまで以上にスピードアップしているため新たな対策をしていく」というもの。
YouTubeでは、
- 新たな誤報を事前にキャッチする
- 誤報のシェアへの対応
- 誤報を防ぐための活動を世界中で強化する
この3つの対策を掲げています。
実際に、この発信後には「都市伝説」を扱うユーチューバーの収益化が無効、アクセス流入も激減したと伝える動画を配信しています。
都市伝説を誤情報として扱うことには、やりすぎな印象もありますが、YouTubeでは「COVID-19のパンデミック初期、5Gタワーがコロナウィルスの拡散を引き起こしたとの陰謀論によって、英国でセルタワーを焼き払う人々が現れた」という事件を問題事例として挙げています。
デマの拡散も程度によりますが、こういったことが起こると、規制が厳しくなるのも頷けるのではないでしょうか。
→ YouTubeオフィシャルブログ「誤報への取り組みの今後について」
YouTubeの収益化を目指すなら健全なコンテンツを
YouTubeでは規制が厳しくなる傾向にありますが、そんな中でも安定して視聴者を集めているユーチューバーは多数存在します。
ルール違反のコンテンツは、ほかにやる人がいないため、実行すれば注目は集まるでしょう。ですが、そのようなチャンネル運営で安定的、継続的に稼ぎ続けるのは難しいですよね。
YouTubeで収益化を実現し、安定した収入を得るためにも、ガイドラインに添った、有益なコンテンツをアップしていきましょう。